・短時間労働者 雇用管理改善事業 「広報 平成12年3月発行」
短時間労働者
雇用管理改善情報
広 報
高岡市ホテル旅館事業協同組合
短時間労働者雇用管理改善推進委員会
平成12年
3月1日

  
通勤災害(労災)の事例(パートタイマーの事例)

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事例及び発生状況
 

 バス通勤者が帰宅する途中、日用品の購入の為途中下車し、再びバスに乗車する際の災害
 被災労働者は、午後3時45分頃業務を終えて、通常、通勤に利用しているバスで帰宅する途中、バイザー(米びつ)を買う為途中下車し、停留所の向かいにあるブ゙ルーチップの店に立ち寄ったが、バイザーがなかった為、直ちにバス停に引き返し、再びバスに乗車しようとした際、ステップで足を滑らせ負傷したものである。

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認定のポイント
   バイザー(米びつ)を買う行為は、「日用品の購入その他これに準ずる日常生活上必要な行為を、やむを得ない事由により行う為の最小限度のもの」と認められるかどうか。
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結論及び理由
   通勤災害と認められる。
 本件災害は、「日用品」を購入する為に逸脱し、その後、通常の帰路に復した後の災害であるので、通勤災害と認められる。

  [通勤経路略図]
      退勤時の経路(バス通勤)

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解説
   本件の場合、バイザーについては、日用品(日常生活の用に供するような物品)に該当し、ブルーチップの店に立ち寄った行為も近所ではこの店以外にはなく、時間的にも極めて短時間であるとし、バス停に戻った時点より通勤行為が再び回復したものとして取り扱われ、日用品の購入の為逸脱・中断に該当しないと認められたので、通勤災害とされたものである。

労働保険はパートタイム労働者も対象となります

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労災保険は全労働者に適用されます
   使用者の中には、パートタイム労働者には労災保険や雇用保険などの労働保険は適用されないと誤解している人も多くみられます。
 しかし、労災保険については、労働者が雇用される事業所はすべて適用事業となります。そして、労働保険は、パートタイム労働者を含めすべての労働者に適用されます。
 業務災害に係る保険給付の種類としては、(1)療養補償給付、(2)休業補償給付、(3)障害補償給付、(4)遺族補償給付、(5)葬祭料、(6)傷病補償年金、(7)介護補償給付があり、また、通勤災害についても同様の給付があります。
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雇用保険の被保険者となるパートタイム労働者は、次の要件を満たす労働者です。
 
(1) 1週間の所定労働時間が20時間以上であること。

(2) 1年以上引き続き雇用されることが見込まれること。

(3) 年収が90万円以上あると見込まれること。

  *(3)の要件については、平成13年度より改正される予定です


 パートタイム労働者については、週所定労働時間、年齢などにより次のような被保険者区分となります。

 
年齢 65歳未満
年齢 65歳以上(注1)
週所定労働時間
30時間以上
一般被保険者
高年齢継続被保険者
週所定労働時間
30時間未満
短時間労働被保険者
短時間労働被保険者である
高年齢継続被保険者(注2)

(注1)65歳前から引き続き同一の事業主に雇用されている方に限ります。65歳以降新た
   に雇用された方は、被保険者となりません。

(注2)以下「高年齢短時間被保険者」といいます。

 雇用保険の失業給付の支給を受けるためには、離職の日以前の一定の期間に、被保険者区分に応じ、次の「被保険者期間」が必要です。

 (1)「一般被保険者」および「高年齢継続被保険者」に該当する方の場合・・・・・・
   離職の日以前1年間に賃金支払基礎日数14日以上の月が6ヶ月以上あること。
 (2)「短時間労働被保険者」および「高年齢短時間被保険者」に該当する方の場合・・・・・
   離職の日以前2年間に賃金支払基礎日数11日以上の月が12ヶ月以上あること。

   また、短時間労働被保険者(パートタイマー)の失業給付のうち、求職者給付の基
  本手当の所定給付日数は、次表のとおりとなっています。

  求職者給付の基本手当の所定給付日数

 
被保険者であった期間
離職時の年齢
1年未満
1年以上
5年未満
5年以上
10年未満
10年以上
20年未満
20年以上
30歳未満
90日
90日
90日
180日
-
30歳以上45歳未満
90日
180日
180日
210日
45歳以上60歳未満
90日
180日
180日
210日
60歳以上65歳未満
210日
210日
210日
210日
就職
 困難
  な者
30歳未満
180日
30歳以上
65歳未満
210日

 一定の要件を満たせば雇用継続給付の支給を受けることができます。

 (1)被保険者が、60歳から65歳になるまでの間については、一定の要件を満たせば、「高
   年齢雇用継続基本給付金」、「高年齢再就職給付金」の支給の対象となります。
 (2)被保険者が、育児休業を取得する場合、一定の要件を満たせば、「育児休業基本給付
   金」、「育児休業者職場復帰給付金」の支給の対象となります。